アルスシムラでの染め体験

前回の記事で書いた志村ふくみさんの展示期間中に、同時開催の絹のショールを染めるワークショップがあり、大変運が良いことに、キャンセルが出たお知らせをたまたま見て、参加できることになり、行ってきました。絹のショールを染めるワークショップは嵯峨嵐山のアルスシムラ校での開催でした。

講師の方が、「草木で染めたものをまとうと自然に包まれているような感じで、着物が生きてるんだなと思います。」と仰られていたのが印象的でした。ただの草木染めや織りを教わる場ではなく、おそらく自然との対話を通して、どう生きるか、この宇宙の中でどう存在していくか、を学ぶような場なのだと感じました。ふくみさんの展示では文章も紹介されていたのですが、ふくみさんの言葉はもちろんのこと、講師の方の言葉や、卒業生の文集を拝見しても、それぞれに自分の感性で、美しい言葉が紡がれていてなんだか泣きそうになりました。

ワークショップは12名でわいわいとできてとても楽しかったです。玉ねぎの皮とみょうばんで絹のショールを染めました。植物(玉ねぎ)、動物(絹)、鉱物(みょうばん)が合わさって、色が出るのだそうです。でもそれも、人の手が加わって出来るもの。染めているときの水の音もまた心地よく、外に出て太陽の光をあてたり、ひとつひとつの行程が五感に響くものでした。

こちらが完成したショールです。写真が微妙ですが(汗)実物は、チベット僧の袈裟の色のような高貴な感じの黄色です。

志村ふくみワークショップ

私は媒染をみょうばんにしたのですが、鉄で媒染された方は濃い焦茶色に染まっていてそちらも素敵でした。

自然の色ってひとつとして同じ色がない、一期一会の色です。人との出会いもまた然り。ひとときとして同じ一瞬がないように、全てが常に変化している。だから一日一日、一瞬一瞬を大切に、丁寧に生きていきたいなと思いました。^^

 

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